(2)南側法面

南側法面では,沖積低地中に連続する低崖の脚部がS−4〜S−5間に位置する。地質は,北側法面と同様,下位より層厚約1mの黄褐色シルト層,層厚10〜20cmの腐植混じりシルト層,層厚約1mの黒色腐植土層及び層厚約30〜40cmの耕作土が確認された。S−4以西では黒色腐植土層の上位に層厚数10cmの人工改変土が確認され,低崖そのものが人工改変土よりなることが確認された。また,断層及び断層を示唆する変形構造等は認められない。

以下に各層の特徴について記述する。

・黄褐色シルト層

黄褐色を呈する塊状の砂質シルト主体。明黄灰〜暗黄灰色を呈し乱堆積構造を示すシルト層を挟在する。上位層との境界は,東側へ緩く傾斜する。

・腐植混じりシルト層

暗黄灰色を呈する砂質シルト中に褐灰〜暗褐色腐植土が不規則に混入する。上位及び下位層とは漸移関係。

・黒色腐植土

暗灰色を呈する腐植土からなり,黒色腐植土が偽礫状に不規則に混在する。S−9〜S−11付近では土器片が散在する。S−9付近より東側で傾斜がやや急になる。

・人工改変土

暗褐灰色を呈する腐植質シルトからなる盛り土及び耕作土。