(a)SB−5孔,SB−1孔及びSB−2孔間並びにSB−4孔とSB−3孔間についてみれば,それぞれ地層の連続性は良い。しかし,SB−2孔とSB−4孔との間では以下に示すように地層の分布状況に大きな差が認められる。
@SB−2孔での基盤標高は58.62mで,SB−4孔での基盤標高は50.80mである。両孔間の基盤標高差は約8m(孔間距離は約27m)である。なお,SB−2孔の西側及びSB−4孔の東側の基盤の傾斜は1〜2゚である。
ASB−2孔での基盤としては明戸層が確認され,SB−4孔での基盤としては蔵本層が確認された。これらの事実から,両孔間では標高の高い位置に下位層(明戸層)が分布するものと言える。
BSB−4孔で確認された礫層1がSB−2孔では確認されていない。
C礫層2の下限標高は,SB−2孔で58.62m,SB−4孔で54.67mと,約4mの比高差がある。
D以上のことから両孔間では基盤上限面に段差があるものと想定される。
(b)後述するトレンチ調査結果では,SB−4孔の礫層2中に最新期に活動した断層が分布することが推定された。しかし,ボーリングコアの詳細な観察の結果,礫層2中に断層及び断層を示唆する地質現象は確認されなかった。トレンチ調査結果においても,追加掘削部西端では礫層中の断層を追跡することが困難であったことなどから,ボーリングコアにおいて礫層中を通過する断層の認定は困難であったものと判断される。
図4−1−3 白石断層 菅生田トレンチ周辺の地質断面