(1)原理

震源から発生した波動は地盤中を四方八方に伝播していく。このうち硬さの異なる地層(音響インピーダンスの異なる媒質)の境界面などで反射して地表に戻って来る波があり,地表に配列した受振器群で反射波として測定することが出来る。

例えば,山に登り,近くの山に向かって叫んでから山びこが戻って来るまでの時間を計り,その1/2の時間に音波の空中での伝播速度(約340m/s)を乗ずることによって,その山までの距離を知ることが出来る。

反射法地震探査(以下反射法と略記)の原理もこれと全く同じである。図3−4−1のように地表近くで発生させた弾性波が,地下の境界面から反射して地上に戻ってくるまでの時間を測定する。この時間の1/2に,速度解析などから求めた弾性波の地中伝播速度を乗ずることによって,対象地点における地下境界面までの概略深度を知ることが出来る。さらに,受振器を地上の測線上に多数配置して,同じような測定を繰り返すことによって,地下境界面を連続的に把握することが出来る。