ボーリングは,白石断層について5箇所,北方延長部について4箇所の計9箇所で実施した。
また,ボーリングの掘削工程については,トレンチ位置の決定及び断層履歴の把握に最も有効な工程・位置で実施した。
(2)ボーリング孔の測量・位置出し
調査に際しては,最寄りの基準点より水準測量を実施して,ボーリング孔の標高を測定した。なお,水準測量の精度は三級水準測量と同等とした。
また,ボーリング孔の位置については,後述するトレンチ調査で実施した平板測量により平面図上に明示し,微地形及びトレンチ位置との関係を把握した。
(3)搬入・仮設
現場内におけるボーリング等の資機材の搬入・搬出は,ユニッククレーンまたは不整地運搬車を用いた。
(4)足場仮設
足場仮設模式図を図3−2に示す。足場仮設材の仕様については表3−1に示す。
作業用足場は,現地の地形状況に応じて足場パイプを用いて組み立て,機械の固定を十分に行った。
図3−2 足場仮設状況
表3−1 ボーリング足場仮設材の仕様
(5)給水設備
ボーリング調査に使用する水は,用水路の水及び周辺住民に補償を行って水道・井戸水を使用した。
(6)掘削方法
ボーリング機械概要図を図3−3に示す。使用機器については表3−2に示す。
〔掘削工法〕
ボーリングは普通工法とし,油圧式のボーリング機械を用いた。
〔掘削口径・方向〕
掘削孔径はφ86mmとし,掘進方向はKB−4孔を除き,鉛直下方とした。KB−4孔については調査目的,KB−3孔との位置関係,及び機器の制約を考慮し,斜め78゚とした。
図3−3 機械ボーリング概念図
表3−2 機械ボーリング使用機器
〔コア採取〕
コア採取にあたっては,コア採取率が高率となるように,地質状況に応じて掘進方法(無水掘削,泥水掘削),コアチューブ(シングル,ダブル),ビット(メタル,ダイヤ)等を使い分けて行った。
(7)試料の分析・測定
ボーリングコアにおいて,地層の年代測定や対比に有効な試料が認められた場合には,これらの試料を採取して分析・測定(14C年代測定)を行った。