2−1 地形概説
調査地は,西側の奥羽脊梁山脈と東側の阿武隈山地の間に介在する白石盆地とその北方地域である(図1−2)。白石盆地は南北に長く,盆地の西方には標高500〜700mの山塊が北北東−南南東方向に伸びる。この山塊は東側斜面が急峻かつ西側斜面が緩く,西に傾いた傾動地塊状の地形をなす。しかし,白石盆地の北方地域では,上記山塊の延長上に青麻火山(青麻山:標高799m)が位置し,同火山及び背後の蔵王火山(屏風岳:標高1825m,不忘山:標高1705m)の火山麓扇状地が発達する。さらに,青麻山より北方の地域には標高400〜500mの東西に延びる山塊が位置し,東に向かって高度を減じている。調査地の東側には標高200m前後の低山地が西側地域と同様,北北東−南南西方向に連なり,北部に向かって高度を減じている。山頂部は比較的なだらかであり,準平原状の低山地地形を呈する。
当地を流下する主要河川は白石川と松川であり,調査地では両河川沿いに沖積低地が発達する。白石川は奥羽脊梁山地より発して東流した後,白石盆地西方の傾動地塊状の山地沿いに北流し,白石盆地北部で再び東に流路を変える。松川は蔵王火山地域より発して東南東に流下した後,調査地東側の山塊沿いに南流し,白石盆地北部で白石川に合流する。