・推定地質解釈
本地域には,下位より新第三紀中新世の鉢森山安山岩類,白石層及び明戸層が分布する。前項(図4−4−3,図4−4−4)で述べたように,本調査地域では深部ほど反射面の周波数が低くなる傾向がある。本調査では,この周波数の違いが,岩相・層相の違いを反映しているものと見なし,深部の周波数が低い反射イベントの分布箇所を最下位の鉢森山安山岩類とした。また,その上位の周波数が高い反射イベントを明戸層とした。また断層より始点側(下盤側)では,明戸層よりも上位の細かい反射イベントが認められる箇所と,反射面が認められない箇所を,それぞれ蔵本層,白石層として解釈した。
・断層
図4−4−6の反射断面では,距離程500m前後で反射パターンの変化が見られ,反射パターンの不連続が検出された。この不連続は,断層を示すと考えられる。この断層の延長部と地表面の交点は測線400m付近であり,これはリニアメント判読および地表踏査による沖積段丘面(L3)上の低崖に整合する。反射断面から,本断層は西側隆起の逆断層(傾斜55°)であり,明戸層の不整合面は断層を境として約175mの落差が認められる。
図4−4−1 反射法地震探査測線配置図
図4−4−2 深度断面図
図4−4−3 マイグレーション断面の周波数分析
図4−4−4 マイグレーション断面の始点側と終点側の周波数分析
上図は始点側,下図は終点側である
図4−4−5 時間断面地質解釈図
図4−4−6 深度断面地質解釈図