地表踏査（精査）では，断層の存在を示唆する事象については，地表踏査（概査）により確認された低位段丘面下の火山灰層が撓み下がる状況を再確認するに留まり，新たな事象は確認されなかった。

一方，リニアメント周辺における段丘面，沖積低地面上の微地形分布については詳細に把握し，変位地形の可能性がある連続性の良い低崖地形を抽出した。この精査結果を基に，トレンチ調査等，今後の詳細調査候補地点として以下に示す３箇所を選定した。

・蔵王町北境地点：丘陵前縁の比高３ｍないし１〜２ｍの低崖部（写真４−３−７）。

・蔵王町平沢地点：沖積段丘面（Ｌ３）前縁における比高３〜４ｍの低崖部（写真４−３−６）。

・蔵王町小村崎地点：沖積段丘面（Ｌ３）前縁における比高４ｍの低崖部及び，さらにその前縁に分布する比高１ｍ程度の低崖部（写真４−３−５）。

このうち，小村崎地点について，低位段丘面（Ｌ１）を覆う火山灰などがリニアメント近傍で撓むことから，次年度の詳細調査地点として選定した。

図４−３−５ 地表踏査（精査）結果図（白石断層北方地域）

（縮尺１／５，０００）

写真４−３−５　白石断層北方地域における連続性の良い低崖

（小村崎）

写真４−３−６　白石断層北方地域における連続性の良い低崖（平沢）

写真４−３−７　白石断層北方地域における連続性の良い低崖（北境）