(7)調査地北部:平沢〜小村崎地域

リニアメントは丘陵及び低位段丘面(L1)前縁の低崖連続として判読され,確実度Tbに区分される。

本地域では断層露頭が確認されなかったが,以下の事象から断層の存在が示唆されたため,地表踏査(精査)の対象地域に選定した。

・小村崎では,リニアメント近傍で低位段丘堆積物(L1)中のスコリア質火山灰層が撓み下がる現象が確認された(写真4−2−15)。

・小村崎以北のリニアメントは周囲の河川系にほぼ直交して分布することから,河川の,侵食作用によって形成されたものとは判断しがたい。

・小村崎では,沖積低地面内に比較的連続性の良い低崖の分布が確認された。

写真4−2−12 変形した古期青麻火山噴出物

・大久保地区。リニアメントの東約100m。

・挟在するシルト層が46゚で南東に急傾斜する。

写真4−2−13 変形した先青麻火山湖成堆積物

本露頭の200m東方では,低位段丘面上に東北東走向の撓曲崖が判読される。

先青麻火山湖成堆積物が東北東走向で西に40゚程度傾斜。

写真4−2−14 円田層中の乱堆積構造

・凝灰質シルト主体。同一露頭内で層理面の走向傾斜が大きく変化する

写真4−2−15 低位段丘前縁の崖に露出する火山灰層の傾斜状況

小村崎地区。段丘礫層を覆うスコリア質火山灰層が撓み下がっている。