(5)桜内層(SU)

青麻山より北方地域の蔵王町小村崎北西の鎌倉温泉付近に小分布する。灰白〜灰褐色を呈する凝灰質砂岩,凝灰質シルト岩,礫岩,凝灰岩,火山礫凝灰岩からなる(写真4−2−4)。下位の滑沢層を不整合に覆う。

凝灰質砂岩,凝灰質シルト岩,細礫岩が数cm〜数10cm間隔で互層をなす。凝灰質砂岩は細粒〜粗粒で葉理が発達する。礫岩はφ1〜5cm程度の亜角〜亜円礫を多く含み,基質は粗粒砂からなる。

凝灰岩は灰褐色を呈し,軟質化した軽石片を多く含む。露頭では全体に軟質で,水による劣化が著しい。

火山礫凝灰岩は黄褐色を呈し,φ1cm以下のピソライト(火山豆石)を多く混入する。他の層相よりも固結度が高く,沢床に露出する。

本層は概ね東側に20〜30°程度傾斜し,上位の円田層との境界は約30°の傾斜不整合で覆われる。

写真4−2−4 桜内層の露頭状況

(凝灰質砂岩,凝灰質シルト岩,細礫岩の互層)