調査地に判読されたリニアメントの特徴は以下のようにまとめられる。
@ 調査地南部の菅生田〜舘前では,活断層研究会(1991)による白石断層とほぼ同位置に南北方向のリニアメントが判読される。本リニアメントは撓曲崖及び変位崖の連続として判読され,確実度Taに区分される。
A 舘前〜福岡深谷では,上記リニアメントの北方延長が丘陵と低位段丘面(L1)との境界に傾斜変換線及び低崖の連続として判読され,確実度Tbに区分される。
B 福岡深谷以北では上記リニアメントの北方延長が山地内に断続的に判読され,確実度Uへとランクが低下する。なお,福岡深谷以南におけるランクの高いリニアメントは,福岡深谷の低位段丘面(L1)上に判読される東西性の撓曲崖を経て,酒生内〜荒子における確実度Tbのリニアメントに連続する可能性がある。
C 調査地中部の松川右岸では,丘陵前縁に傾斜変換線の連続としてリニアメントが判読されるが,やや不鮮明であると共に,侵食地形の可能性を有していることからランクは低く,確実度Uに区分される。
D 松川左岸の舘〜北境地域では,丘陵前縁及び低位段丘面 (L1)の前縁に傾斜変換線及び低崖の連続として確実度Uのリニアメントが判読される。
E 調査地北端部の平沢〜小村崎地域では,段丘面前縁にある低崖の連続として確実度Tbのリニアメントが判読される。特に,小村崎における低位段丘面 (L1)前縁の低崖は,周辺の河川系にほぼ直交している状況から判断して,河川の侵食作用により形成されたとは考え難く,断層運動に伴う変位崖である可能性がある。
表4−1−1地形面対比一覧表
表4−1−2 リニアメント判読基準表
図4−1−1 地形分類図