表5−3−2 断層の活動度
1. 平均鉛直変位速度Vvmは,長町−利府線に関しては時代の異なるいくつかの段丘の変位量から,坪沼−円田断層のそれは,断層を挟んで約100m離れた地表露頭とボーリング孔で観察された30,000〜35,000年前の堆積物の分布高度差から求めたものである。
2. 最大規模の地震Mmaxと単位変位量ΔDは,断層の長さ,マグニチュード,および単位変位量に関する松田(1975)の経験式から概算した。長町−利府線と坪沼−円田断層とが1本の断層である可能性が皆無とは言えないが,5.3.1項の4の理由から,別個の断層とみなして計算した。
3.平均再来間隔RはΔD/Vvmとして求めた。松田(1975)の経験式においては,単位変位量に関して実変位量とその鉛直成分とを区別していないというあいまいさがある。したがって,このようにして概算したΔDを鉛直成分とみなしたときには,Rを長めに評価したことになることに注意しなければならない。