5−3−1 長町−利府線と坪沼−円田断層の諸元

前年度までの調査から,表5−3−1のように判明している。

表5−3−1 断層の幾何学諸元

1. 両者は類似した特徴を備えていて,坪沼−円田断層は長町−利府線よりやや小規模である。

2. 長町−利府線は約400m以深では断層ずれが確認できるが,それ以浅(中新世とそれより若い地層の中)では撓曲となっている。これに対し,坪沼−円田断層付近では軟質な被覆層が薄いため,地表まで断層が突き抜けている。

3. 長町−利府線の積算鉛直変位量Dvtは南西部で大きく,北東に向かって漸減する。坪沼−円田断層の積算鉛直変位は中央部で大きく,両端に向かって漸減する。

4. 両断層はほぼ平行で,互いの延長方向に分布しているものの,地質構造的にも変位地形的にも連続する証拠が見当たらないので,別個の断層,あるいは別個の断層セグメントの可能性が高い。