5−1−2 坪沼断層の活動性評価

前項で述べたように坪沼第二トレンチに出現する断層は,坪沼断層全体の活動性を表すとは限らないものの,断層ガウジの発達から断層活動の主要部の一つであるとみなすことが可能である。

断層は走向・傾斜がN52°E, 55°NWの逆断層で,面には縦ずれ(北東へ80°)を示す明瞭な条線が認められる。基盤岩(高舘層)と第四紀層との地層境界面(不整合面)を基準面とした断層の鉛直変位は,ボ−リングデ−タ(B−4孔)によると2.26mである。

以下では本調査結果及び既往調査結果等を基に,坪沼断層における新期の活動時期・活動間隔・単位変位量・平均変位速度などを考察する。