主として東面の地層分布デ−タに基づき,イベントごとに以下の変位基準面を設定。
イベント1:A−4層とA−3層の地層境界
イベント1+2:A−1層とA−2層の地層境界
イベント1+2+3:高舘層とA−1層との不整合面
断層延長線を基軸として各変位基準面の上盤・下盤の最大比高を見積もる(例えばイベント1については図5−1−7の最大比高@参照)。
各基準面について最大比高ポイントを断層線上に投影して,断層に沿った実変位量を計測(イベント1については図5−1−7の実変位@参照)。
その結果,イベント1では実変位量92cmが得られる。この変位量は1回分の断層活動に対応するものと考えられるが,後述するイベント2の実変位量(43cm)などを考慮すると,2回分の断層活動に対応する可能性もあり,そのうちの1回は地層の変位に至らず撓みだけであった可能性を否定できない。
同様にイベント1+2の累積変位量は135cmと見積もられることから,イベント1の変位量(92cm)を差し引き,イベント2の変位量43cmが得られる。
基盤上限面の累積変位量(イベント1+2+3)は,B−4孔の鉛直変位デ−タ(226cm)に基づき実変位を算定すると273cmと見積もられる。この値からイベント1と2の累積変位量(135cm)を差し引き,イベント3の変位量138cmが得られる。この値は他のイベントの変位量に比べ大きく,複数回の活動を反映する可能性がある。