3−3 長町−利府線断層帯

○既往調査

平成7年度調査では,地表踏査(概査)により,長町−利府線断層帯を構成する各断層の位置と長さの概要が明らかになった。また,長町−利府線,大年寺山断層及び鹿落坂断層と,坪沼断層及び円田断層とは,別個の断層である可能性があることが明らかにされた。

平成9年度の調査では,長町−利府線断層帯を構成する断層のうち,活動度が最も高いと推定された長町−利府線について地表踏査(精査),極浅層反射法地震探査及びボーリング調査を行い,同断層の地下浅部構造が明らかにされた。また,同一地層面の対比により,平均鉛直変位速度等を把握した。

平成10年度調査では稠密浅層ボーリング調査及び地層抜き取り調査により,地震による液状化跡を確認し,約7,300年前以後と約2,500〜2,800年前以後に,計2回にわたり同断層が活動した可能性があるものと推定した。なお,この調査結果から,長町−利府線の活動周期は約4,500〜5,000年であり,最終イベントは約2,500〜2,800年前以後である可能性があるとした。

図3−2−2 長町−利府線・大年寺山断層に沿う地形面区分図

(中田ほか,1976より抜粋)