なお,採取された地層サンプルのうち,砂・砂礫はほぼ不攪乱状態で採取でき,詳細な堆積構造が確認できたが,粘土・シルトについてはバイブロハンマーの振動により,一部で矢板及び蓋板付近に地層の引きずりが見られた。地質観察及び記載は,このような人為的な引きずり部分を除いて行った。
以下に,地層サンプルから得られた沖積層の概要について記述する。
・GS−1からGS−12の全ての箇所で,深度4mより浅部の2層準に腐植土層が見られた。これらは砂,シルト,粘土などに挟まれて分布するが,調査区間ではぼぼ連続するものと考えられる。
・GS−1からGS−5では,上記の腐植土層の下は比較的硬いシルト・粘土よりなり,砂層はほとんど見られない。
・GS−6からGS−7でも腐植土層の下はシルト主体であるが,GS−1からGS−5にかけてのものより軟質で砂層を挟む。深度5m以深の砂層は粗粒である。
・GS−8では,深度3m以深は礫混じり砂〜砂礫からなり,下部ほど粗粒である。
・GS−9でも深度4.5m以深はGS−8同様,礫混じり砂からなる。
・GS−10からGS−12では,連続する腐植土層の下はシルト質砂・砂層からなる。いずれも 深度5m以深は最上部に腐植質な葉理の発達する砂層からなる。GS−11では深度5.7m 以深に腐植土が見られる。