CDP編集後、地下の一点からの反射点について、反射波の反射時間(T)と発震点/受振点間の距離(オフセット距離 X)の関係はその反射点まで波の速度(V)とは、関係(双曲線)がある。この関係を用いて、種々の速度 V を仮定して、オフセット X の反射時間 T の補正(NMO補正)を行うと、真の速度を与えた時のみ、反射波は同一時間 T0 に並び、これを足し合わせる(重合する)ことで雑音の少ない反射波を得られることになる。
CDP重合により、信頼度の高い地下反射面の構造形態が得られると同時に、地表から反射面までの速度情報も得ることができる。
CDP重合法の実際のデータ解析において基本となるのは、
*発震点・受振点座標等の測量データ
*現場磁気テープ上の記録の発震点と受振点の関係
等を的確に扱うことである。CDPはこれらを用いて定義でき、CDP編集が行える。
図2−2−1、図2−2−2、図2−2−3 に本調査の発震点・受振点位置とCDP重合測線の関係を示した。本調査測線の重合測線として
測線1 985CDP (5m間隔)
測線2 944CDP (2m間隔)
測線3 848CDP (2m間隔)
が定義された。
個々の記録に対する補正処理としては、
*地形・表層構造による反射時間(走時)の補正(静補正)
*発震点・受振点の波形特性の補正(デコンボリューション)
*重合後の種々フィルタ操作
*傾斜面をCDP直下の位置にい補正する処理(マイグレーション)
等を行い、最終深度断面図を得た。