資機材搬入後、8月10日より測線2の受振器/ケーブル等の設置作業を開始した。
以後、概ね順調に測定作業を進め、8月19日、測線3東端の太白区富田地区での発震をもって全測定作業を終了、引き続き観測機器等の撤収、資機材の搬出作業、関係各所への終了挨拶等を行い8月21日に現地調査を終了した。
今回は仙台市という大都市圏での調査のため、地元関係先への説明は元より、地域住民への周知徹底のためのチラシ配布等の調査前準備が調査測線近傍全区間にわたってなされ、又、実発震作業時にもできうる限り各戸訪問説明等を行った。その結果、多くの方々は調査の趣旨を理解し興味を示して比較的協力的であった。
(1)発震作業
バイブロサイスを震源とした測線1においては、発震点毎の騒音・振動の様子を確認しながら、適宜
・スイープ数
・出力レベル
の調整等を行った。
また、都市部においては、主要道路には上下水道管、送ガス管等の各種埋設管が設置されている場合が非常に多く、本調査では、極力埋設管直上の発震を避ける様に工夫した。
原則として1台稼働、10回スタック/点を基準としたが、各発震点の状況に応じ臨機応変に対処した。バイブレータ発震出力についても状況に応じ3段階(90,50,30%)に変えて行った。また、現地状況の許す限りスタック回数及びバイブレータ発震出力を上げ記録質向上に努めた。
(2)受振器設置作業
大都市圏であるため、商店街や住宅街が多く道路の殆どが舗装されているため、正規間隔で土中に設置が困難な受振点が数多くあった。その際は、
・バンチング設置
・アルミ製受振器スタンドを使用した設置
等で対処した。
測線1では、住宅、商店前を次々と通るため、通行人の支障とならないよう歩道の植え込み等に設置しできるだけ展開長をとった。
また、測線1では調査測線と交差する幹線道路が多数あり、本線ケーブルの道路横断には、信号柱、電柱等を用い高架渡しを行った。高架渡しを行ったのは、国道・幹線道路との交差点で計6箇所である。
交差点・鉄道等のために受振器を設置できない場合は、極力受振点をずらして設置したが、受振点間隔が比較的短いため、隣接受振点と重なってしまい設置不可能な点もかなりあった。
本調査の測定仕様は表2−1 現場作業統計表に示した。
使用した主要機材は、次の通りである。
・バイブレーター BW MK−IV (Y−2400) 2台
・油圧インパクター JMI−200 1台
・ディジタルテレメトリ探鉱機 G・DAPS−4 1式
・リモートステーションユニット(RSU) 130台
・ディジタルテレメトリケーブル(DTLC) 130本
・バッテリーユニット 240個
・チヤージャー 6台
・受振器 OYO McSeis (f0=8HZ) 500組
・受振器 OYO McSeis (f0=28HZ) 230組
・受振器スタンド 2250個
・車両 観測車等 8台
・無線機 10W・1W 1式