(1)L1測線

図3−2−15の深度断面図を用いて,反射面構造について考察を行った。長町公園内のCDP1〜160(測点:0〜80mに相当)では,7〜8本の反射波がほぼ水平に連続しており,CDP105付近から緩やかに浅くなっている様子が見られた。CDP160〜200(測点:80〜100mに相当)では,反射波はほとんど確認できなかった。CDP200付近から測線の終点方向では,4〜5本の反射波が終点方向に浅くなる傾向で連続している様子が見られた。これらの反射波を,長町公園側ではA〜H反射面,斜面側ではa〜d反射面と解釈した。なお,市道と木流堀川で分断されている部分は,CDP194〜234(測点:97〜117mに相当)である。

L1測線のCDP106地点ではボーリング調査を実施したので,ボーリングのデータと反射面を対比することができた。対比結果を表3−2−8 に示す。斜面側の測線では,測線東側に位置する第三女子校内にボーリングデータがあり,これらを参考にした場合はa反射面は青葉山層上面に,b反射面は青葉山層内の火山灰層に,c反射面は青葉山層内の砂礫層に,d反射面は大年寺層上面に相当すると推察できる。これらの結果により,反射断面上に地層区分したものを図3−2−17に示す。

都市圏活断層図では,CDP400付近を長町−利府線が通過するが,今回の反 射法探査結果からは,この区間の反射波の連続性がよいことから,この付近 での逆断層系の存在は考えにくい。CDP180〜240間で反射断面が乱れている が,この区間は道路と川が交差している場所であり,重合数が他より少ないことなどの影響で,反射波が見えにくくなっている。しかし,CDP220付近の反射波の様子やここを挟んで両側では反射波が確認されていることを考慮すれば,断層活動により地層が乱された可能性もあると考えられる。