3−1−2 調査地の地質構成

調査地の地質は,下位より新第三紀鮮新世の向山層,大年寺層,第四紀更新世の青葉層U,青葉山層V,台の原段丘堆積物,仙台上町段丘堆積物,仙台中町段丘堆積物,仙台下町段丘堆積物,第四紀完新世の仙台下町段丘堆積物,沖積層,地すべり堆積物,崖錐堆積物等に区分される。また,表層部には,埋土,盛土等の人工地盤が分布する。

調査地の地質層序を表3−1−2地質層序表に,その分布を図3−1−2−1地質平面図及び図3−1−2−2地質断面図に示した。

以下に,各地層の特徴について記述する。

新第三紀鮮新世の地層は,大年寺山の丘陵部において第四紀層の基盤をなして広く分布している。向山層主部は砂岩,シルト岩,亜炭等よりなり,丘陵北西部には厚さ約10mの軽石凝灰岩及び細流凝灰岩からなる広瀬川凝灰岩が狭在する。

大年寺層は下位の向山層をほぼ整合で覆う。本層は調査地では主として細〜中粒砂岩と凝灰質シルト〜シルト岩からなり,シルト岩中には貝化石が見られる。基底部には含礫砂岩を伴うことがあり,生痕化石,貝化石が見られる。

第四紀更新世の地層は,いずれも段丘構成層で礫層を主体とするが,礫の風化程度やマトリックスの性状により区別される。

青葉山層は礫層,砂層,粘土質火山灰等からなる。礫層は安山岩の円〜亜円礫を主体とし,流紋岩,デイサイト,凝灰岩の礫を含む。礫径は5〜15cm程度でくさり〜半くさり状の礫が多いが,径の大きい安山岩や流紋岩の礫は硬質である。マトリックスは粘土混じりの中〜粗砂で,所々に厚さ20〜30cm程度のシルト層や砂層を挟んでいる。

台の原段丘堆積物は礫層,砂層からなる。礫種は青葉山層と同じく安山岩礫を主体とし,半くさり礫が多い。マトリックスは粘土混じりの中〜粗砂である。

仙台上町段丘堆積物及び仙台中町段丘堆積物はいずれも礫層を主体とし,くさり礫をほとんど含まない。マトリックスは中〜粗砂である。

第四紀完新世の地層のうち,仙台下町段丘堆積物はルーズな礫,砂,粘土等からなる。