地表踏査(精査)ボ−リング調査、トレンチ調査の詳細な実施地点を選定するため、大縮尺(縮尺1/2,500程度)の地形図を用いて地表踏査(精査)を行う。調査範囲は概ね500m×500m程度の範囲とする。
(2)極浅層反射法探査
地表踏査(精査)結果と併せて、ボ−リング調査、トレンチ調査の詳細な実施地点を決定するため、また断層の通る正確な位置を確認するために、断層を横切る測線を設定して、とくに浅い深度を対象とした極浅層反射法探査を行う。
(3)ボ−リング調査
@深部ボ−リング調査:反射法探査測線付近において、反射断面から推定される地質の分布状況、地質構造の確認を行い、また断層両側での地層の対比を行うことによって断層の変位量を確認することを目的として、第三紀層までのコアの採取を行う深部オ−ルコアボ−リングを行う。
A浅部りボ−リング調査:トレンチ調査予定地点における地下の地質状況を確認してトレンチの掘削位置を決定し、あわせて断層変位量算出のための地層対比の精度を上げるべく年代測定や微化石分析の試科を採取する目的として、浅部でのオ−ルコアボ−リングを行う。
上記の両ボ−リング調査とも孔径76mm以上のオ−ルコアボ−リングとし、調査結果は縮尺1/10〜1/50程度の柱状図に整理する。
(4)トレンチ調査
長町−利府断層帯の活動履歴に関するデ−タを得るため、断層の通過地点においてトレンチ調査を行う。トレンチの規模は「トレンチ上面の長さ20m,幅10m,深さ5m程度とし、深さ2.5m付近に幅1m程度の観察用通路を取り付ける。」を目安とするが、現地状況に合わせて検討する。整形したトレンチ法面の地質状況を断層履歴解明の目的に沿って詳細に観察し、縮尺1/20程度のスケッチ図を作成する。また、平板測量により縮尺1/200程度のトレンチの平面図を作成する。このときトレンチの周囲の地形状況も併せて調査する。
(5)試料の分析・測定
地形・地質調査(精査)、ボ−リング調査及びトレンチ調査から、試料を採取して分析・解析を行う。その内容は14C年代測定花粉・珪藻・有孔虫分析・火山灰分析・その他(考古遺物等)の解析である。
(6)総合解析
平成8年度の調査結果をも踏まえて、長町−利府断層帯の位置、形状、活動性、平均変位速度、再来間隔、最新活動時期、単位変位量等について総合的に検討を行う。