村田町菅生宮前付近から村田ダム付近まで、やや湾曲した崖線が発達しており、それに沿ってSL−6リニアメントが判読される。本断層はこのリニアメントに沿って分布する。しかし、ここでは断層露頭は確認されていない。
2)断層付近の構造
図2−9−1、図2−9−2にL−L´断面図(支倉−道海−菅生細倉)及びM−M´断面図(川崎−音無−村田JCT)を示す。
@L−L´断面図では、本断層の北西側及び南西側に分布する槻木層及び高舘層は水平に近い構造をなしているが、断層を境とした槻木層及び高舘層の分布高度にかなり差がある。また、断層付近では南東方向に撓曲している可能性がある。断面の北西側で分布している茂庭層及び桜内層等の堆積岩が、南東側では分布していないが、その後の浸食により削剥された可能性がある。
AM−M´断面図では、地層は水平〜5゜程度北西に傾斜している。また、滑沢東方には背斜構造が存在し、円田断層はその南東翼側に発達していると想定している。
3)断層の評価
(1)断層の位置及び長さ
本断層の長さは、村田町菅生宮前から村田ダム付近まで約7kmである。
(2)断層の平均変位速度
本断層の北東部で高舘層基底の垂直変位量は、約70mと見積もられる。また、南西部で桜内層基底の垂直変位量は約170mと見積もられる。この断層の活動時期を長町−利府線と同時期の約45万年前とすると各平均垂直変位速度は0.16m/1000年と0.37m/1000年となり、活動度はいずれもB級に属する。