@トレンチ調査の結果などにより数多くの活動およびその年代、もしくはそれらの活動が記録されている期間の長さがわかっている場合には、それぞれの活動の間隔を平均して活動間隔を求めることができる。
A活動の証拠が1〜2回分しかない場合には、地形面の変位量を計ることによって活動の累積結果とみなし、これをその地点における平均的な1回のずれ量で除すことによって活動回数を求め、地形面の形成された推定年代から活動間隔を割り出す。
B1回の活動の証拠が見出せない場合は、過去の地震断層の事例から経験的に求めた活断層の長さと1回の変位量との関係式から変位量を求め、以下Aと同様な手法で活動間隔を求める。
なおAとBは平均的な1回のずれ量を求め、その地点の平均変位速度で除すことと同じである。いずれの場合も、活動を記録している期間は活動間隔に比較して長い方がよいので、平均変位速度が求められている場合も、期間が充分な長さであるかどうか吟味する必要がある。本調査では、トレンチから同位置箇所の複数の活動は確認できなかったので、@の方法は採用できない。またBの方法で求めた1回の変位量は3m以上となり、実際にトレンチで観察される1回のずれ量よりもかなり大きい。したがって、本調査では活動間隔の検討にあたってはAの方法を用いる。