2−2−1 地形調査結果

宇賀川地区は、平成7年度のトレンチ調査で断層を確認し、AD1020〜1410年の範囲に活動した可能性が高いと結論づけた地点である。本地点は、宇賀川左岸の現河床よりやや高い地形面上に位置する。この地形面は、周囲のL面よりも分布高度が低く、河床からの比高が小さい。このため、完新世に形成されたものである可能性が高い。

これまでの調査から、断層はこの地形面の西端にある南北方向の崖の基部付近を通過すると考えられるが、崖自体は侵食崖であり、断層は北方では侵食崖の斜面内を、南方ではこの地形面上を通過していると考えられる。また、ここでは人工改変のため、低断層崖などは認められない。なお、トレンチ地点の北方に分布するM面の変位量は、約12 mである。調査位置を図2−6に、米軍写真を用いた航測図化地形断面測量結果を図2−7に示す。