1−2−4 地形断面測量の概要

地形面の変位量を航空写真を使用して地形断面測量を実施することにより計測した。調査地は圃場整備によって地形改変が進んでいるため、1948〜1950年に撮影された米軍撮影の航空写真を使用した。

作成断面数:21断面

測線総延長:16,538 m

表1−8 地形断面測量に使用した米軍撮影航空写真

表1−9 地形断面測量実施箇所

地形断面測量は以下の手順で行った。

@基準点の選定

一般に、航空写真測量では、位置や高さの基準として、三角点や水準点を使用し、撮影前に対空標識の設置を行う。しかし、本作業で使用した写真は1948〜1950年の撮影で、このような準備作業は行っていない。そこで、既存の地形図(各市町村の1/2,500都市計画図)を用い、航空写真と照らし合わせて位置が明瞭に判別でき(交差点、家屋の角、三角点、地計図の端点など)、かつ撮影時から変化のないと判断できる場所を選定し、基準点として用いた。

A空中三角測量

1つの写真モデル(実体視できる一対の写真)につき6点のパスポイントを選定し、基準点を用いて空中三角測量を行った。

B断面図の作成

定められた側線に沿って、ポイントごとの標高を解析図化機で読み取り、断面図を作成する。本調査では次の仕様で作業を実施した。

・使用機器:トポカルトB

・ポイント間隔:任意(地形変換点)

・測量制度:公共測量作成規定に基づく

C測量精度

a 標定に使用した既存地形図(1/2,500都市計画図)の精度に起因するもの

・標高点精度 ±Δh/3以内(Δh:地形図の主曲線間隔2 m)

 =±0.67 m

b 解析図化機の標定に起因するもの

 ±0.5 m以内

c 計測較差

 ±0.4 m以内

・絶対位置誤差=a+b+c=1.57 m(鉛直方向)

・相対位置誤差:cのみ(計測線内の相対的な標高誤差は0.4 mまで許容される)

※実際には、0.2 m程度以内

断面測量の測線を図1−2に、作成した断面図は、巻末資料4地形断面測量結果に示す。