表1−5 トレンチの概要
以下、トレンチ調査の方法を述べる。
トレンチの掘削は以下の手順で行った。
・ 掘削区画の設定
・ 重機による掘削
・ のり面の整形
・ 柵板の設置
・ 1mグリッドの設定(水糸張り)
・ 壁面スケッチ(1:20)
・ 写真撮影
・ 試料採取(年代測定・遺物採取等)
・ 掘削後の平板測量(1:200)、横断測量(1:100)
・ 埋め戻し
・ 復旧の確認
トレンチ場所では掘削前後の形状の平板測量を行った。トレンチ溝はおよそ長さ12m×幅6m×深さ4m程度の規模とした。掘削勾配は1:0.5(63.4°)程度で土質に応じた安定勾配とした。掘削面はねじり鎌等で平滑に仕上げた後、1m間隔の格子状に水糸を張り、スケッチをした。掘削面のスケッチは、層序区分や堆積構造、変形構造等が読みとれるように表現し、1/20詳細図(付図)と、これを縮小した1/50図を作成した。トレンチ壁面は、壁面と全体のカラー写真を撮影し、主な堆積構造や変形構造等の近接写真も撮影した。壁面における炭化物、木片、有機質土壌は位置を記録して採取し、放射性炭素年代測定 (14C)に供した。同様に、土器片などの遺物についても採取した。なお、調査終了後は埋め戻して原形復旧し、地権者立ち会いの上で終了した。