1−2−1 ボーリング調査の概要

ボーリング調査は、青川上地区、宇賀川地区、宇賀川南地区、杉谷地区の4地区、4地点で実施した。各調査地においては、平成13年度調査において地形・地質調査、ボーリング、ピットの掘削が行われ、地下極浅部に分布する地層とその年代についての情報が、概ね得られている。本年度のボーリング調査の主目的は、調査対象箇所においてトレンチ掘削を効率的に行うために、地下極浅部の構造を確認し活断層の通過位置を詳細に特定することと、地層の変位量の概略を把握することである。したがって、各地点におけるボーリング地点は、予め前年度までの調査によって予想した断層位置を挟む既存ボーリング地点の間に設定した。なお、トレンチ調査実施予定地のうち、田光地区については、平成13年度調査結果のみでトレンチ位置を設定可能と判断し、本業務ではボーリングを追加実施しなかった。

掘削延長の合計は35m、ボーリングの掘削孔径はφ86 mmでオールコア採取である。調査数量一覧を表1−4に示す。またボーリング柱状図の概略を図1−3に示す。

表1−4 ボーリング調査一覧表

ボーリング調査の仕様は以下のとおりである。

@ 掘削工法

ボーリングの掘削は油圧式ロータリーボーリングマシンにより、削孔径φ86mm、コア径φ70mm程度のオールコア採取とした。掘進は、軟質な土壌や段丘礫層においてはメタルクラウンビットを付けたシングルコアチューブを用い、固結したシルト岩や段丘の巨礫等はコアパックを装着したダブルコアチューブ(硬質礫部はダイヤモンドビット使用)によって行った。コア採取率は80%以上を目標としており、実際には90%以上の採取率であった。採取コアはコア箱に格納し、コア箱には、件名、地点名、採取深度を記入した。

A 観察・整理

ボーリングコアは、予め外周に付着した粘土、スライムを取り除き、地層の観察と記載を行った。記載は深度ごとの色調、地層名、層相、堆積構造等を含めて1/10柱状図にまとめた。なお、コアはカラー写真を撮影し、報告書の巻末資料に添付した。

図1−3 ボーリング柱状図