ピット位置は断層想定位置の上盤側である。ピットに見られる地層は以下のようである。
a 水田耕作土(黒色土、暗渠を含む)
b 盛土3(黄褐色〜褐色系、シルト混じり)
−−−−−−−(境界不明瞭)
c 盛土2(灰色系、縞状)
d 盛土1(黄褐色系、黒色土・樹根を含む)
e 暗褐色土(旧耕作土:境界が直線的で緩く東に傾斜、側方は沖積相当層に漸移)
−14C年代=130±60 yBP
f 白灰色砂(沖積相当:花崗質の細礫混じり粗砂、多少改変されているか)
g (L段丘礫:ピット底部にφ1m大の巨礫を含む礫層が見られる)
N面の東端底部には耕作土が溝状に落ち込んでおり、これは水路跡などの土構と見られる。
ピットの大半が盛土であるが、盛土する以前には、底部の沖積砂層の上面が耕作されていたと見られる。古い盛土(盛土1)には黒色土が混じり多数の木片(樹根など)が含まれている。その中の黒色土の年代は790±70 yBPである。樹根の年代は現代である(modern、炭素の%から1955〜1960頃と推定される)。耕作は江戸時代末期、盛土はその後の時代と見られる。米軍写真で見られる低崖は盛土1の上面と考えられる。