2−3−2 ピット調査−青川上ピット

調査位置を図2−2−1に、スケッチ図・写真を図2−3−1−1図2−3−1−2に示す。

ピット位置は逆向き断層(副断層)の下盤側に相当し、かつて湿地状の水田であったが昭和63年頃に圃場整備により盛土した場所である。その際、重金属汚染(Cd)があったため、表土を剥いで客土したとされている。

ピットの地層は、上位から以下のとおりである。

a 水田耕作土

b 盛土〜旧湿地堆積物(茶褐色、木片・針金等の廃材を多数含む)

c ピート、有機質シルト(b〜d間の薄い挟み層)

d 灰色礫層(粒径不揃い、シルト分を含む):上部は細礫主体の砂礫

このうち、灰色砂礫層は淘汰不良でボーリングでは盛土の可能性もあると見られたが、壁面の観察で一部にラミナが見られるなどの特徴から自然の地層と判断した。その上位の有機物は、何らかの原因でこの付近に湿地が形成された際に繁茂した水生植物が集積したピートと見られる。ピートの層厚は1〜2cmの薄層で、一部はポケット状に分布する(E面)。ピートの14C年代は1460±60 yBP(S面)、1680±40、1710±40 yBP(E面)と、ほぼ古墳時代に相当する。

ピット内の地層はほぼ水平で変形構造等は見られない。