本地区は地形判読による地形境界よりもやや平野側に出た断層（前縁部）の位置に当たる。本地区は最近（１０数年前）、圃場整備が行われており、階段状に盛土、または切り土がなされている。

本地区の地層は下位からＬ１段丘相当の段丘礫層（下位：砂礫、上位：フラッドローム）、黒色土、及び盛土（�@、�A）である。盛土の形状は前述の旧地形（米軍写真）を参考に断面を作成した。

ボーリングＳＧＢ−１〜ＳＧＢ−３間ではＬ１段丘礫層のフラッドローム下面に標高差がなく、ＳＧＢ−３〜ＳＧＢ−２間では、黒色土の下面もフラッドローム下面も東に低くなる。ＳＧＢ−３〜ＳＧＢ−２間の地層の標高差は、黒色土が０．９ｍ、フラッドローム下面が１．２ｍとほぼ同等である。また、黒色土の年代は４７６０〜８２２０ ｙＢＰで、縄文時代（早期〜中期）に相当する。このことから、黒色土の形成以降、約５０００年前以降にＳＧＢ−３〜ＳＧＢ−２間の断層で１ｍ前後変位したと推定される。これまでの情報ではどの層準までせん断されているかは不明であるが、黒色土まで全体が撓曲変形している可能性もある。