(4)ピット調査−宇賀川南ピット

調査位置を図2−2−2に、スケッチ図・写真を図2−3−3−1図2−3−3−2に示す。

ピット位置は断層想定位置の上盤側である。ピットに見られる地層は以下のようである。

a 水田耕作土(黒色土、暗渠を含む)

b 盛土3(黄褐色〜褐色系、シルト混じり)

     −−−(境界不明瞭)

c 盛土2(灰色系、縞状)

d 盛土1(黄褐色系)

e 暗褐色土(旧耕作土:境界が直線的で緩く東に傾斜、側方は沖積層相当層に漸移)

   −14C年代=130±60 yBP

f 白灰色砂(沖積層相当:花崗質の細礫混じり粗砂、多少改変されているか)

g (L段丘礫:ピット底部にφ1m大の巨礫を含む礫層が見られる)

N面の東端底部には耕作土が溝状に落ち込んでおり、これは水路跡などの土構と見られる。

ピットの地層の大半が盛土であるが、盛土する以前には、底部の沖積砂層の上面が耕作されていたと見られる。古い盛土(@)には多数の木片(樹根など)が含まれている。耕作は江戸時代末期、盛土はその後であろう。