(8)ボーリング調査−杉谷地区(菰野町杉谷)

調査位置を図2−2−5に、断面を図3−1−8に示す。

杉谷地区はL1段丘面上に位置する。調査地は米軍の空中写真および地権者の聞き取りにより、かつて3段の水田であったことが判明している。想定される断層を挟んで3本のボーリングSGB−1、SGB−2、SGB−3を実施した。

地層は上盤・下盤ともにL1段丘礫層、砂層、フラッドローム*(砂混じりシルト)が観察された。下盤のボーリングでは、フラッドロームの上面に黒色土(黒ボク)が観察された。黒色土の下部には暗褐色の漸移層(土壌化層)を伴う。フラッドロームは、上盤、下盤共に厚さ3m程度で均質である。

L1上面以降の層厚は両側ともほぼ同じで、地形から推定される断層による断層変位の可能性が高い。地層の標高差はL1上面で1.3m、フラッドローム上面でおよそ1.4mで、これがフラッドローム堆積後の断層変位量と見られる。

* (注)旧杉谷川のオーバーフローによる氾濫堆積物と見られ、均質な砂混じりシルトである。