この地区は、L1面を刻む流路(沖積面相当)の中に位置する。米軍の空中写真によると、当時は2段の水田であったが、現在は圃場整備の盛土により平坦な水田となっている。この地区では、推定される断層を挟んで2本ずつ、計4本のボーリングTBB−5、TBB−6、TBB−7、TBB−8を実施した。その結果、人工盛土層、沖積層、L段丘堆積物及びその下方に東海層群礫岩が観察された。
圃場整備前は2段の水田であった(南西側が約1m高い)ことから、最上部に分布する盛土は2層あると考えられる。盛土の下方には、下盤と考えられる東側の2本のボーリングTBB−6、TBB−8ではピット同様に有機質土および玉石混じり砂礫層(チャネル堆積物)が観察された。さらに下位では均質な砂層である。上盤側には沖積層相当層は見られない。
L1上面の標高差は東側の2本と西側の2本との間で1.35〜1.65mである。この標高差の原因として、断層変位の可能性が考えられる。
上盤で確認された東海層群は、砂岩の中にラミナが発達し、傾斜は30〜40°程度である。TBB−8ではTBB−6と同様の盛土・腐植土・礫層(g)が見られ、その下に東海層群の礫岩を確認できた。礫層(g)の標高差は2.5mである。