調査地区は、2−3の宇賀川地区より道路を挟んで約120m南方の地点で、地形状況はほぼ同等(沖積面上)である。
この地区では、想定される断層を挟んで、UGB−8、UGB−9の2本のボーリングを実施した。上盤、下盤共に、盛土、沖積層を経て、礫層と、基盤の東海層群が観察された。断層位置が不明瞭であったことから、ボーリング間の距離は約24mと広く設定したところ、礫層の層厚及び東海層群上面高度に大きな差が認められた。
東海層群は下盤側で低く、上盤側との標高差は3.0mである。これは礫層堆積時の侵食崖の可能性も否定できないが、現在のM面との境界の崖地形の前面に新期の地層を切る断層が存在する可能性が示唆される。
基盤の東海層群は、上盤下盤共に乱れの少ない締まったコアであり、断層運動に伴う乱れは見られなかった。上盤側の東海層群には砂岩中にラミナが発達しており、傾斜が50°程度と高角である。
礫層は、硬質な古い堆積岩や花崗岩の玉石を多く含む。上面標高は、両ボーリング間で約0.35mであり、ほぼ水平に近い。沖積層は砂優勢で、厚さ0.3〜1.0m程度と薄い。