(2)地質構造

B層は下部層のB4〜B5が、横座標0〜1.5でC層の上にアバット状に堆積している。この下部層B4〜B5は横座標2付近でL型に撓曲している。横座標1〜2、縦座標0〜−1付近の撓曲の肩部のB4〜B5は層厚の増大や堆積構造の乱れなどが認められ、これらは傾斜の増加に伴って地すべり状にずり落ちた可能性がある。B2〜B4はいずれも鈎型の突起または庇状の形状を示し、スケッチ図の左下に推定される逆断層(西上がり)の延長上に並ぶ。これらの突起形状の成因については総合検討で考察する。なお、本トレンチでは礫層や砂層のせん断面は確認されていないものの、B〜C層境界の撓曲部付近では、C層の礫が斜めに配列している。

土壌層のA2、A3は緩く東に傾斜するが、壁面の東側ではほぼ水平になる。B5、Sg3、B4の西端は表層からの土壌化進行のために不明瞭となるが、トレンチの範囲内ではほぼ等厚で、L2面構成層相当のC層に乗っていることが確認された。