(1)トレンチの地層構成

トレンチに現れた地層は、上位に土壌層(A層)が分布するが、下位の地層はトレンチの西側と東側では大きく異なる。すなわち、西側では巨礫層(C層)であるが、東側では砂礫層及び砂層、一部シルト層との互層である(B層)。地層の概要を以下に示す。

・土壌層(A層)−−−A1(耕作土)

              A2(黒色土:黒ボク)

              A3(暗褐色土:礫混じり土壌化層)

・細粒砂礫層(B層)−B(砂・砂礫の互層)

              B1(砂質シルト:フラッドローム)

              B2〜B5(砂層、間に砂礫Sgを挟む) 

・巨礫層(C層)−−−C(花崗閃緑岩の巨礫や緑色片岩礫を多数含む)

各地層の14C年代は、今年度の調査結果だけでなく昨年度の結果も合わせて検討すると、以下のようになる(*印は昨年度の結果を用いたもの)。

・ B5:約11000 yBP

・ B4:9300 yBP*

・ B2:9600 yBP

・ B1:11000 yBP*

・ A3:9800 yBP*

・ A2:6700 yBP

年代値は同一層準でもばらつきがあり、地質層序と逆転することもある。そのため、地層の年代を一義的には決められないが、年代試料の大半が縦に侵入したようなストロー状の炭化物(樹根か)であるため、できるだけ古い年代を示すものがその試料を含む地層の形成年代に近いものと考えられる。