(2)地質構造

巨礫層Cはほぼ水平で、わずかに東に傾斜している。これは特にN面で確認できる。本トレンチは、地形判読により座標N5付近を低断層崖とする逆断層と考えられていたが、砂礫層の連続性が良く、せん断や撓曲変形が認められないことからトレンチT3.1の範囲内には断層がないものと判断される。断層が前縁(東方)に移動していることも考慮して詳細に観察したが、砂層の変形がないことから、トレンチ内に断層が存在する可能性はないと結論した。

なお、A2(黒ボク)は南に厚い傾向が明瞭であるが、C礫層の上面が侵食されて南に緩く傾斜した斜面に堆積したためと考えられる。