この地区の地形面はLf面であり、地表部分は圃場整備により多少改変されている。Lf相当層の層厚は上盤側で1.9〜2.65mと薄く、下盤側で5.35mと厚くなっている。また、下盤側のLf堆積物の下位にはM相当と考えられる礫層および東海層群の礫層がある。この東海層群は下盤側の深部にのみ確認されている。上盤側のB1−4の断層面以深の礫層は攪乱されており、ほぼ全体が破砕帯と考えられるが、その起源は不明である。
以上のボーリング調査から、上盤側ではM面堆積物は大半が侵食されてなくなったか、または下盤側にのみ堆積した可能性が考えられる。断層活動は、Lfを変位させていることからLfの堆積時まで続いていたと言える。
なお、ボーリングB1−3のコアから古土壌の年代測定と火山灰の分析を行った。その結果、年代値の逆転が見られ、断層変位の可能性が示唆される。結果の詳細と考察はV 総合解析で述べる。