(5)ボーリング調査−B4地区(松阪市小片野町奥出:片野断層)

本地区ではL1面上の撓曲崖を挟んでボーリングを実施した。このうち、西側の上盤側のボーリング地点はL1面上を覆う扇状地地形の末端部にあたる。調査位置を図2−2−4に、断面を図2−2−9に示す。

ボーリング数量は2本である。ボーリングコアから、L1構成層の上部に厚さ0.75mの扇状地性堆積物が確認された。L1構成層の基盤は、上盤、下盤ともに花崗閃緑岩であり、基盤上面で3.34mの標高差が確認された。2地点の地表面の標高差は4.07mであり、上盤側の堆積物の層厚が約1m厚くなっている。上盤には沖積扇状地堆積物の堆積と小規模な人工改変(盛土)があることを考慮すると、L1構成層の層厚は上盤、下盤ともに同程度と考えられる。L1構成層の最上部は上盤、下盤ともに黒ボク土およびフラッドロームと思われる砂質シルト層が2m前後堆積している。