(2)露頭調査方法

露頭調査は既存の露頭箇所を拡大・整形して地質分布と地質構造を確認する調査で、いわゆる“露頭剥ぎ”である。調査は以下の要領でトレンチののり面整形に準じた手順で行った。

・ 人力による掘削

・ のり面整形

・ 水糸張り/水準測量

・ 壁面スケッチ

・ 写真撮影

・ 試料採取

・ 埋め戻し復旧

露頭整形の規模は約11m(横幅)×5m(高さ)、壁面勾配はおよそ70〜80°前後で、一部は直立に近い。掘削面はねじり鎌等で平滑に仕上げた後、斜面長1m間隔の格子状に水糸を張り、スケッチに備えた。掘削面のスケッチは、地層区分や堆積構造、変形構造等が読みとれるように表現し、1/20の詳細図と、これを地層毎に多少簡略化した1/50図を作成した。また露頭壁面全体および主な堆積構造や変形構造等の近接写真についてのカラー写真を撮影した。壁面において炭化物、木片、有機質土壌が見られた場合は位置を記録して採取し、放射性炭素年代測定(14C)に備えた。調査終了後は埋め戻して原形復旧し、地権者の了解を得た。