(2)各トレンチの地層Silの対比

椋本地区で行った3箇所のトレンチで見られたシルト(Sil)は、段丘礫層にのり、層相が類似している点で共通性が高い。これを表3−1−2に示す。このSilは、礫層の堆積後に広汎に氾濫した細粒堆積物(flood loam)と思われる。SilはFM2、FM3断層の西側で比較的厚く堆積しており、下流側の隆起によりせき止められているから、すべてのSilが同時代とは限らない。しかし、Silの年代は少なくともAT以前で“2.2(または2.5)〜5万年前”である。この年代幅の中では同時代であると言える。

表3−1−2 各トレンチのシルト(Sil)の一覧