(2)地質構造

座標No.6〜7付近の底部に東上がりの逆断層が複数条発見された。断層面は段丘礫層内では不明瞭であるが、扁平礫が断層方向に配列する傾向がある。Sil−1内では明瞭な破断面が認められる。断層は単独ではなく複数の集合体であり、N面ではミ型に近い平行状〜雁行状を、S面では枝分かれ状を呈する。このような断層形状は断層上部の引きずり変形の現れと考えられる。断層の走向・傾斜はN26°−36°W/43°−56°Eである。断層はSil−1を明瞭に切っており、Sgを著しく撓曲変形させている。S面ではSgを断層変位させている。Sil−2には断層破断面が認められない。

上位のPt以上の地層は撓曲変形が顕著であるが、せん断はされていない。PtとTSは断層の上盤側でやや薄かったり、ちぎれたりするものの、断層の両側に分布する。