G2の成因はここでは明確ではないが、前述のように崖錐性であることから、トレンチ西方に形成された撓曲崖から崩落した可能性が高い。
以上のことから、本トレンチでは、Sd堆積後に段丘礫層G1を変位させる断層活動があったと推定される。また、G2の崖錐堆積物を生じさせる活動があった可能性もある(トレンチTM1の西方に、崩壊堆積物を供給するような崖地形、あるいは傾斜地が形成されていた可能性を示唆する)が、詳細は不明である。
なお、ボーリング調査(前述)から、段丘礫層堆積途中にも断層変位があったと推定されている(段丘礫層の層厚変化から)。したがって、本トレンチにおける断層活動は
@ 段丘礫層G1堆積途中に礫層を変位させた断層活動
A Sd堆積後に、トレンチ内で段丘礫層G1を変位させた断層活動
の2時期と判断される。
断層の活動年代は@がG1の形成途中、すなわち約5万年前以前である。また、Aは約5万年前以降、現在までと推定される。