(2)地質構造

N面の座標No.6〜8の底部で、段丘礫層G1を切る西上がりの逆断層が発見された。ここでは礫層G1の上面に食い違いがあり、G1のラミナが10°余り東に傾斜するのに対して緩く西に傾斜する破断面があるため、断層と判断した。この破断面はせん断に伴う細粒化によるもので、礫層G1内では破断面に沿って扁平礫が再配列し、砂層内では微妙な暗褐色の細い筋(幅3〜5mm)が認められる。断層の走向・傾斜はN21°W/24°W〜N26°W/25°Wで、傾斜方向の変位量は約0.8mである。断層は礫層G1から砂層Sdまで延びるがその延長部は不明である。G1は東側(座標No.3〜6)でほぼ水平であり、断層上盤側の東に傾斜するラミナは断層変位に伴う撓曲構造と見られる。

また、G2はG1と層相が異なる点と東へ25〜30°傾斜して堆積していることから、崖錐性の堆積物と判断した。