2−2−6 ボーリング調査−風早池地区

風早池地区において、風早池断層の変位量を確認するために、断層線を挟んで2本のボーリング(BK−1、BK−2)を行った。調査位置を図2−2−3に、断面を図2−2−9に示す。

地形面はいずれも高位段丘面H2で、厚い段丘礫層が堆積している。段丘礫層はいくつかの薄い砂層を挟む。礫は花崗閃緑岩、黒雲母片岩の礫を主体とし、所々に基盤のシルト岩礫を混じり、大半がクサリ礫化している。基盤岩は一志層群のシルト岩で傾斜は20〜30°である。深度はBK−1が8.20m、BK−2が16.40mである。断面図に示したように、段丘礫層は断層を挟んで分布高度が西に高く、かつ、層厚は下盤側(東)で著しく厚いことがわかった。地形調査から、地形面はいずれも高位面H2とみられ、このときの地形面の変位量は約11.5m、一方、基盤岩の変位量は17.3mとなり、その差は5.8mである。このように下盤側の礫層の層厚が厚くなるのは、礫層の堆積途中に断層変位があったか(崖錐状の堆積)、または、礫層形成後の断層活動により層厚が増大した可能性が考えられる。これは、椋本地区の主断層FM1の状況とよく似ている。

以上のように、地形から推定されていた風早池断層は、岩盤と、最近10数万年の高位段丘礫層をも変位させている活断層と判断される。

図2−2−3 風早池地区ボーリング位置図(1:10,000)

図2−2−9 風早池地区ボーリング断面図(1:200)