松田(1990)は、断層番号44、50、51、52(図1−1−1)を「布引山地東縁断層帯」と呼び、活動度B級、断層長27km、地震規模ML*1=7.2の起震断層と位置づけている。本調査では、これを参考とし、活断層研究会編(1991)に示されている表1−1−1の断層を調査対象とした。
布引山地東縁断層帯は大部分が南北方向に伸びており、山地と平野の地形境界のみならず、東方の平野側にも断層が分布する傾向がある。地形境界の断層は断層番号44、50の南部(津市の長谷山付近)であり、平野側の断層は95、50の北部、及び51である。
表1−1−1 布引山地東縁断層帯の活断層一覧(活断層研究会編、1991より)
ただし、「新編日本の活断層」(活断層研究会編、1991)に示されている「戸島西方断層」(No.48)は、原著論文(太田・寒川、1984:「鈴鹿山脈東麓地域の変位地形と第四紀地殻変動」、地理学評論57−4)によれば、椋本断層の一部として扱っており、戸島西方の断層は椋本断層の南方延長とされている。よって、上表には「戸島西方断層」を含めないこととした。
図1−1−1 布引山地東縁断層帯位置図(活断層研究会編、1991より抜粋加筆)