3−1−3 椋本地区の段丘面の変位

太田・寒川(1984)は横山池の西方において、M2面が比高7.4mの凸形断面を示す低断層崖を伴って変形していることを指摘し、これを椋本断層と呼んだ。この変形は地質構造と調和的である(巻末資料1−1、文献No.Af−7、(図1−1−12)。

今回のボーリング等資料調査によると、横山池の改修工事に伴うボーリング結果では、低断層崖の東側に層厚20m程の段丘礫層が分布することがわかったが、西側の資料がないため、変位量の検討はできなかった。また、地表踏査によっても、低断層崖北方の山地で地層の急傾斜が確認されているが、断層露頭は見られない。

一方、椋本地区の反射法探査によると、この付近一帯の幅広い撓曲構造と椋本断層に相当する断層構造が確認されており、この低断層崖が撓曲に伴って生じた逆断層と考えられる。