2−1−3 既存ボーリング資料調査

断層周辺の地層状況と断層変位等を検討するためにボーリング資料を収集した。本調査では、建設省出先事務所、県出先事務所、各市町村及び日本道路公団等から多数のボーリング調査資料等を収集した。ボーリング資料は合計419本にのぼり、各市町村ごとに番号を付けて整理した。ボーリング地点は付図6−1付図6−2付図6−3付図6−4付図6−5、既存ボーリング地点図(1:25,000)に示し、各地点毎の層序区分をして既存ボーリング資料整理表(巻末)にまとめた。収集した柱状図の元資料は別冊にファイルした。

既存ボーリングは建築物の基礎の調査ボーリングが主体で、全体に深度は10m内外の浅いものが多い。亀山市の井戸ボーリングでは200m以上、最大279mのものがある。なお、津市では平野部の多数のボーリングデータをまとめており、平野部の沖積層や基盤深度等の推定に用いた(津市、1980)。下表にはこのボーリング本数を含めていない。

だが、いずれも断層運動を直接示唆する内容のものはなかった。

表2−1−4 市町村別ボーリング本数

なお、ボーリング資料収集の際に、工事現場の露頭情報についても聞き取りし、断層位置や断層変位の考察に役立てた。例えば、日本道路公団亀山工事事務所(断層露頭の情報)、久居市の森工業団地、新清掃センター及び新工業団地の調査資料をもとに、断層変位等の解析をした。