(3)三重県内の活断層

三重県内の活断層は、活断層研究会編(1991)によれば約68存在し、そのうち、松田(1990)による地震規模の大きい起震断層は北部から列挙すると表2−1−1のようになる。布引山地東縁断層帯は、「一志断層」のうち、南部に相当しており、昨年度までに調査した鈴鹿東縁断層帯の南方延長に当たる。

鈴鹿東縁断層帯が、一部を除いて第四紀後半にも活動している断層を含んでいるように、調査地の布引山地東縁断層帯でも、芸濃町椋本地区や久居市庄田地区では第四紀後半まで活動したことが指摘されている(太田・寒川,1984、八木・寒川,1980など)。

鈴鹿東縁と布引山地東縁の両断層帯を継続して調査し、それらの連続性を検討することは、地域防災を考える上でも、その意義は大きい思われる。

表2−1−1 三重県内の主な起震断層(松田、1990 より抜粋)