0 はじめに

本報告書は、三重県が科学技術庁の「地震関係基礎調査交付金」を受けて実施した「布引山地東縁断層帯に関する調査」の結果をまとめたものです。

平成7年1月の阪神・淡路大震災を契機として、直下型地震の震源である活断層に関する詳細な検討が重要な課題であるとされています。

本調査は、亀山市から関町、芸濃町、安濃町、美里村、津市を抜け、久居市に至る布引山地東麓の活断層を調査したものです。布引山地東縁断層帯は、災害対策機能の集中する県庁所在地周辺に存在する起震断層とされており、その調査は、本県の地域防災を考える上で非常に重要なものであります。

本調査の調査項目は、(1)既存資料調査 (2)地形・地質調査 (3)物理探査とし、これらの調査結果を総合的に解析することにより、布引山地東縁断層帯の分布および性状を明らかにするよう努めました。

今回の調査では、ボーリング調査やトレンチ調査を行っておりませんが、この調査結果を踏まえて、平成10年度にはボーリング調査やトレンチ調査など、さらに詳細な調査を実施して、地域の地震防災対策へ役立てていく予定ですので、関係各位の御理解と御協力をお願いします。

最後に、本調査を実施するに当たり、多大なご協力を賜りました三重県地域活断層調査委員会の委員各位並びに関係各位に深く感謝申し上げます。

平成10年3月

三重県環境安全部長  秋田一民